2015年に新たに登録された世界遺産のうち、行ってみたくなる3スポットを厳選してご紹介します。
1.明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(日本)
1850年代から1910年にかけて、日本の重工業化を支えた産業遺産です。南は鹿児島から北は岩手まで、本州に幅広く点在する23の資産からなっています。特に注目なのが、通称「軍艦島」の名で知られる長崎県の端島(はしま)炭鉱です。
「007 スカイフォール」の舞台となったこともあり、国内外から「荒廃ぶりが美しい」と感嘆の声が挙がっています。
石炭採掘がさかんになった端島は、炭鉱都市として栄えました。幅160メートル、長さ480メートルと小さな島でありながら、最盛期には5000人を超える人々が暮らし、人口密度が当時の東京の9倍にも達していたほどです。
1974年に採掘が終了となり、すべての島民がこの島を去ったために、現在は無人島となっています。
2.パレルモのアラブ=ノルマン様式建造物群およびチェファル大聖堂、モンレアーレ大聖堂(イタリア)
イタリアのシチリア島の州都・パレルモとその近郊の町にある、9つの歴史的建造物からなる遺産です。パレルモは、アラブ・ノルマン王朝時代の栄華の面影が残る港町。
パレルモでもっとも重要な建造物であるノルマン王宮は、9世紀にアラブ人が建設した城を、12世紀にノルマン王が要塞と王宮に拡大したものです。
パレルモ大聖堂は、7世紀の教会がアラブ支配時代にモスクとなり、ノルマン王の時代に再び教会に戻った歴史をもちます。
パレルモにほど近い、モンレアーレの大聖堂には、216本もの大理石の柱が使われた回廊が当時のまま残ります。
大聖堂内部は、金地に鮮やかなモザイク装飾で彩られており、ため息が出る豪華さ。
小さな漁村・チェファルーの大聖堂は当時の傑作と称されています。
歴史文化遺産だけでなく、豊かな自然と温暖な気候に恵まれたシチリアはリゾート旅行にもぴったり。特産のワインや新鮮な魚介類など、美食の島としても知られています。
3.エフェソス(トルコ)
トルコ西部、エーゲ海地域に位置するエフェソスは、ローマ時代の都市がまるごと残る遺跡です。
ここを訪れる誰もがその規模と保存状態の良さに驚くほど。山々に囲まれた緑豊かなロケーションも魅力で、自然と歴史の雄大さが感じられます。
遺跡のいわばメインストリートにあるのが、一万冊以上の蔵書を持っていたセルシウス図書館。
エフェソスのハイライトとも言える場所で、壮大なファサードと、それに華を添える緻密な彫刻には思わず目を奪われます。
2万5000人を収容できる大劇場は、現在もコンサート会場として使われており、音響効果も抜群なのだそう。
紀元前7世紀頃に造られたアルテミス神殿の遺構は古代の7不思議とされています。
トルコに行くならぜひ訪れたいエフェソス。古い民家が残る近郊のシリンジェ村とセットで訪れるのがおすすめです。
[イタリア政府観光局]
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